さくら色の息吹/夏美かをる
あなたと私の接点など何もないと思っていた
なのに…
ある日の休み時間
あなたがつかつかと私の前にやってきて
突然大声を張り上げた
「小杉があんたのこと好きなんだってよ。
あんた小杉と付き合っちゃいなよ!」
その瞬間クラス中の視線が私に集中して
私は呼吸ができなくなった
おかげで翌日は生まれて初めてずる休みをした
それからしばらくは
教師達と同じ目線で
あなたを見つめていたかもしれない
あなたと小杉君のいる教室は針のむしろのようで
あなたのことを本気で怨んだ
ついでに小杉君のことも
あなたを見る目が少し変わったのは
平穏で平凡な日々が戻ってきた時のこ
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