やがて水が/
はるな
やがて水が
熱を帯び
傷んだ管のひびわれは
取り返しようもなく波打って
かつて海であった記憶をたぐる
かなしみはコンクリートをふちどって
どれだけ抱いても減らない全てに
途方にくれながら
短い言葉を
継いでは飲み込む
やがて水が
ゆっくりと海を、
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