仮面/
小原あき
化粧を落としても
わたしは見えない
そこには
皺と染みの増えた顔があるだけ
わたしはまだ
様々なことに怯え
かたかたと震える
小さな小さな
わたしだというのに
化粧を落としても
もうひとつの仮面が見えるだけで
小さなわたしは
何も変わらずそこにいるのに
仮面だけが
むくむくと変化する
それがないと
わたしは外も歩けないのだ
朝、起き上がることすら
ままならないのだ
わたしは
仮面に
キスをした
仮面の緊張を
ずきずきと感じた
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