懐かしむ風/朝焼彩茜色
懐かしむ 振り返る過去が増えてくる
決してしがみつくものはなく 黄昏は生まれながらにもっている
私の夕刻の風
四季の問わない八方へ広がる 無菌空間の感情
誰にも晒されない 寂しさをずらして纏めた感情
私の夕刻の風
懐かしむ 駆け巡る 脳の思い出の貯蔵箱のからくり
決して戻りたい 退行はなく それでも涙もろくなる
生まれながらに涙は無限に貯蔵されていた
悲涙ではない
私の夕刻の風
四季の問わない人生の塊 流れて吹く 流れて吹く 流れて吹く
懐かしむ胸を撫で下ろす
私の夕刻の風
戻る 編 削 Point(11)