明日/草野春心
 


  今日のことを忘れずいよう
  遠くまで青く 空は澄み
  音楽はいたるところで 風に薫っていた



  何度おなじことをくりかえしても
  わたしはひとを恨むだろう
  ひとのもつ優しさを羨み
  都合のいい言葉を蔑み
  誰よりも大切なあなたでさえ
  取りかえしのつかないほどに痛めつける
  心はときに 醜くくすんでしまうのだろう



  悲しみと悔しさに満ちた今日を
  それでも わたしは覚えていよう
  風に聴こえていた音楽が やがて消え失せた後
  くちびるから歌がこぼれるように
  いつもどこかで輝く あの太陽のように
  わたしたちは明日を生きるのだから



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