半身/自転車に乗れない女の子
 
 





半身にびっしり墨を入れたあなたが
猫みたいな目で優しく笑いながら
そっとわたしに触れる

あの日のわたしは
たったそれだけのことに
びくっと肩を揺らして、
思わず目を伏せて、
そんな自分が情けなくって、
「ごめん」と呟いた言葉で
尚更あなたを傷つけた


半身の深い青が
わたしは本当に大好きで
半身の深い青が
わたしは本当は怖くって
半身の深い青は
そんなわたしを
軽蔑することもなく
全身の深い愛で
わたしに本当の
音をくれたのに


半身にびっしり墨を入れたあなたが
半身に深い青を持つあなたが
まっさらな半身のわたし
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