週末の欠落/ただのみきや
 
濡れたアスファルトに夜が映る
泣いているような夜の顔
ネオンの化粧が滲んで行く

綴った言葉は今朝もまだ濡れていた
光と音/朝のピンで留められたまま
すべての顔が微笑んでいるわけではない
バランスの悪い週末の底辺を支えるには
ぼくは内気すぎるセールスマンだ

冬に冒された公園を
エゾリスは忙しなく走り回る
夢と不安
拾い集めては溜め込まずにいられない

可愛いあなたに良く似ている
いっそ忘れてしまえばよい
昨日何を話したかなんて
何処に夢を埋めたかなんて

人生は古い車のように凹んでいて
突然新車に変わったりはしない
せいぜい整備してきれいに乗る事だ
そしてダッシュボードには銃を隠しておくこと

気温が上がれば甘いうわごと
風もなく風見鶏 月の幽霊と二人
他の誰でもなくただ夜を待つ
昨日の夜を


     《週末の欠落:2013年11月16日》






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