書く動力 2/Dr.Jaco
 

会ったことも無い女性のうなじを追い掛ける。彼女のくるぶしにしがみつく、なんて
幻想。
例としての記述。
   液体に近い光の、その水面の裏にいる女神
   その水面に顔を浸ければ女神は背後にすり抜ける
   顔を上げれば視界の背後に隠れる
   水面を横から見ても「水面」という厚さは存在しない
会ってもいない「言葉さん」とのやりとりに関する大げさな比喩である。これは則ち、
「言葉さん」について「ああでもない、こうでもない」と言いながら書くことの失敗
である。物事には二面性があるよ、とか、いやいや多面性があるよ、とか、おっとど
っこい揺らいでいるんだよ、とか、言いながら書くこ
[次のページ]
戻る   Point(3)