海月ー2/……とある蛙
※「松島の月まづ心にかかりて」芭蕉
ー崖の上から延びる松の枝
その先に見える月と海
回復できないクラゲが漂う水面に
揺らめいているのは風の溜息か
天空にはクラゲの昇天した
月の光が揺らめく
月は落下せずに 天空を漂う
光の揺らめいているのは大気のズレ
海面には落下したのは月の死骸か形骸か
海月と月球は無限にループする
月の揺らめきは地上の瓦解を知らず
海面を漂う月の揺らめき
海月の昇天し松の枝の先
天上に朱く輝く海月の命
湾の静止した水面を見つめる男
幻惑されて目が眩み
海月の影を月と呼び
水面に漂う月を飲み干す
っと
水面にはらりと
雪が一片
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