時の端っこ (八)/
信天翁
枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった
その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
まるで半ボケの俺様となっていた
遠くから電車のきしむ音が聞こえる
それがさも俺様の生涯のように
戻る
編
削
Point
(4)