神様のいじわる/葉月桜子
いた猫にミルクをあげようとする私
母にこう言われたことがある
死ぬまで責任持てないのなら
中途半端に 優しくしてはいけないのよと
それは優しさではないのと
一年ぶりに再会した
あなたは一人になったと 私にそう言う
私は悟られないよう 不意に驚いた表情を見せる
でも 心の中では なぜ今なのかとざわざわした
あの頃の 気持ちがふと蘇る
胸の中のどこかが ギュッと熱くなる
なぜあの時…
たくさんたくさん聞きたいことはあるけれど
何も伝えず 複雑な表情で微笑んでみた
神様のいじわる
それとも私を 試しているの?
あの頃とはもう違うから
今の私は 今を生きているから
私は結った髪を 勢い良く振りほどいた
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