ひとつ 結晶/
木立 悟
別の銀河は近くとも
紙と筆は無限に遠い
傷に降る花
火を絞める花
真綿は騒ぎ
真綿は黙る
窓の外に立つ
黒とこがね
静かで新たな湿り気が
何も生まれない場所へ近づく
錫を見る 翠を見る
内を焼くものの色を呑む
来たる場所を至る場所を
水たまりの結晶が見つめている
うそでもまことでもあるそのままの手
こぼれ またたき
ひらかれる
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