かさぶたハイロウ/クナリ
 

忘れようとしていたことを
思い出した

あの人だけに触れたいと思うと
あの人だけには触れられなくなると

あなたが私を失いたくないからついた嘘なのか
わたしなど失ってもかまわないからついた嘘なのか
今では
わかるようになってしまった

かさぶたハイロウ
上がって下がって
忘れて忘れて
また一人で
自分の胸を抱く
一人で一人で
忘れて忘れて
忘れた振りして
小さい傷は
開き直れない
見えない振りが
できそうな気がして

かさぶたハイロウ
一人で翻弄
ばいばいまたね
忘れたころに。


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