招き猫/nonya
 

いつも待っている
誰かを
何かを

右手か
左手で
いつまでも招きながら

黄色い砂埃も

べたべたしたちっちゃな手も

酷い陽射しも

すぐに味がしなくなる憐れみも

落葉の掠れ声も

いかにも慈悲深げな薄笑いも

凍みる放射冷却も

クラクションのような「かわいい」も

見られることで
僕は新しくなれるから

触られることで
僕は深くなれるから

いつも待っている
誰でも
何でも

いっそ
両手で
いつまでも招きながら

いつも待っているから

おいで



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