7/きるぷ
部屋の隅であなたが死んでいるから
ドアが開けられない
ぼくは部屋から出られない
せめてもの暇つぶしにと
本を探したが、
あったのは『謎の男トマ』だけだったから
窓のそとを眺めてたら、
あー、
なんて沢山の天使的形象が今日も
・
窓を開け腕を伸ばし、
その一匹をつかまえて
ぼくは空へと叩き落した
また世界にほほえみがみちた
十一月だった
・
「木の葉が舞ってきれいだね みてごらん!
こんな時期も すぐ過ぎるんだね」(dulcemente)
動かないあなたは死んでいるから
ぼくは沈黙をただしく解釈して
部屋をあた
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