道と夢(重なり)/木立 悟
 
たりはじめたりする



窓は胸と腕を映して
何も知らない光に点る
見える手見えない手の音が
ねむりにつく子のすぐそばで
絵本をちかちかめくっている



ひとつの道が分かれつづけて
どこまでもひとつに遠去かる
まぶしい まぶしい
まなざしにあふれる
いつか見た重なり
指と同じ数の夢
次の街へとつづく道
明るく速く
すぎてゆく道









戻る   Point(1)