白亜の器/★HIDE
閉ざされた空間に
そっとしゃがみ込む
消え逝く記憶の間に
確かに残る感触
「忘れても良いよ」
「そう云うと思ったよ」
区切られた時系列で
淀みなく進む作業
失望とか諦めとか
厭世とか後悔とか
全てはあの時に
あのコトバから始まった
「他に選択肢はないよ」
「少し時間をください」
数時間の猶予だけで
駆け込んだ白い大きな器
段々と中の世界に溶け込んで
外の世界が消えていく
残された絆は
金属の塊と細い電気の糸
コトバの意味さえ薄まって
白い壁に埋まってく
戻る 編 削 Point(2)