草笛/粉末
 
除草剤をまくために
貴族のサロンでは集会
目を盗み生えてくる
名前はいらない草たち
花の散る間も与えず
花の色もわからず
せめてメネデールを
さよならには刺激的な味

急勾配の坂にひっそり
散華なくこっそり
自立した草になれなかった
草はくず折れ萎れた先を想う
風通しのいい身体
そよ風に露にされたら
鳴けるだけ鳴きたい
新しい草みたいに
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