twin/竜門勇気
;望のまま
泡沫詩人は命をかけて
一つっきりの詩を書く
百も千も億も形を変えて
裏返った自分と
裏返ってない自分が平衝して
静かで熱のない爆発を
発狂する寸前まで
タイトルを付けて時間を空けて
一つの詩しか
持ち合わせていないから
それしか考える余分を持たないから
双子が自分と生きる時
死んでいる自分を知って
双子は自分ではないのに
奴は多分
生き物でも存在でもない
誰の心のなかにもある
泡沫詩人が
クソの価値を決めている
青い空だと笑う声が
ある日聞こえなくなる
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