詩に関する雑文、あるいは恋文/bookofheaven
ど読まないと言い切ったしね。あのとき私は少し辛かった。
一度だけ訪れた君のいる部屋で、心地よい春の風にさらされた、君の動かない手をとって、寒くないかと聞いた。
ただぼんやりと見返す君の瞳には誰もうつっていないけれど、こちらを見返すその顔を、いまもちゃんと思い出せる。明日はまた会えるしね。
上弦の月がゆるゆると中空で見ている。
明日はふたりで海辺に行って、海にいるものは何かを考えながら長い長い散歩でもしよう。
2011.5.11 初稿
2012.10.02 校正
2012.10.04 校正
タイトル「詩に関する雑文、あるいは恋文」
あらため「詩を読まない友人へ詩をよむということはどういうことなのかを説明したくて書いた小作品」
戻る 編 削 Point(1)