死情/ただのみきや
 


今朝は 静かな死
白樺の裸体 霧の
視神経 晩秋の匂い

  目減りした水瓶に落とす
  賽の河原の石のくぐもり
  陽射しはそっと後ずさる 

魂のほころびから
黄泉の調べ 妙なるかな 
舌をもてあそぶ 冷たい指先


      《死情:2013年11月》



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