太極/ゆったいり
でも回る水車
流れる大河は騙し絵のよう
上流下流繋がって
永遠に廻り続ける
人はみな大河の一滴
ならこの身を預けてしまおう
溶け込んでいく認識
彼我はあざなえる縄のごとく
体系はほどけ、境界は消え
言語を越え差し込む実感
光は白に色彩は黒に
雑多であることこそが一つ
光陰は紡がれ陰陽は止揚し
悟る
充足しきった恍惚の中で、
僕たちの見落とした間違いを想う
暗闇を恐れ、光で満たし
無音を嫌い、音声で埋め、
静寂と安息を失くして
あまりに多くのことを語りすぎるのだ
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