夕餉どき/草野春心
 


  西陽がなにもいわず
  夕餉どきの部屋にはいってくるのが
  わたしたちはきらいだった



  畏れのため
  わたしたちは歌っていた
  それとも、単なるかなしさのため
  歌っていた
  踊っていた
  いつまでもふざけていた
  夕餉どきのわたしたちのあいだに
  はいりこんでくる すべての悪しきもののため




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