夜の匂いを忘れてしまうまえに/ユッカ
 

なんの躊躇も無いんでしょう
きっと大事なひとのてのひらの感触なんて
覚えてなくてもいいんだ

でもいいよ
それで、いいの
何もかも覚えていることなんてできない
あたしがあなたを忘れてしまいそうになっているように

ひとりはさみしいよと、あなたは言っていたけど
それは願いのようなものだったんだろうか
あなたの嫌いな朝日に、あたしは今やもう
スキップしながら向かって行くこともできる

目にうつるものすべて、ろくでなしで
あたしも例外じゃない
それでもハナウタを歌いながら歩くことだってできる
素晴らしい夜
だから、もう
忘れてくれたって構いはしないんだ
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