「幻影」 /夜月 こころ
春の日に散ってしまいましょう
貴方を思い出すことも出来なくなってしまっ た
幻影の中飛び交う妖精 美しい思い出は駆け巡ってゆく
咲き乱れる花 旋律は艶やかに
誰かの唇と重なる 懐かしい匂いと温もり
私は貴方を知っているのに 貴方を思い出せない
春の日に散ってしまいたい
過去を思い出すことも出来なくなってしまった
冷えきった夜のメロディー
完熟した果実は最期の輝きを秘める
私に囁いた声は甘く切なくて
誰かの肌と重なる 懐かしい記憶と感覚
私は貴方を知っているのに
貴方を思い出せない
雫が零れ落ちる意味さえ分からずに
身体は崩れ落ちてゆく
それでもいい
貴方を愛しているから
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