生まれたての真珠のように/葉月桜子
あの日生まれた 赤ん坊は たくさんの時が経ち
今日も傷つき そしてまた信じてる
あの日咲いてた 花たちは
今はもう どこにもいないけれど
その花から花へと 今もどこかで微笑んでる
ピアノの音がかすかに聞こえてる
古い校舎のあの場所で 出会った
数えきれない色の音たちが キラキラと舞い
遠くの街へ 届けと言わんばかりに
がむしゃらに 夢中で
生まれたての真珠のように
先のことなんて何も知らなかった
誰と出会い 誰を信じ 誰を傷つけ
どんなに悲しいことが起こるのか
どんな素敵なことが待っているのか
今日もあの校舎には
たくさんの笑い声が響き渡り
まるで 信じることしか知らない
生まれたての真珠のように
ピアノの音色がキラキラと わたしを包みこむ
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