俺はこれを選んだ(含まれる代わりに)/ホロウ・シカエルボク
 
判らないんだ、仰々しいお題目の為になんて別に生きるつもりじゃなかった、だけど気が付いたらそんなものに繋がる道の前に居たんだ、夕暮に導いて運命に気付いた欲望の様にさ、ただ気が付いたらそこに居たんだ、ただそれだけさ、俺はロマンチストじゃない、俺はリアリストじゃない、俺はポエットでもない、どんなリストにも含まれたくはない、しいて言えば、そんなコンテンツとは無関係なところに行きたい、ただそれだけだよ、ただそれだけなのさ、人生を這いずり廻って―自分以外の気配をどこかに感じているトカゲみたいに―人生を這いずり廻って、ただ知りたいだけなんだ、俺の中点をザワザワと騒がせるものの正体を…皮膚を剥ぎとる代わりに、肉をこそげ落とす代わりに、血を絞り出す代わりに、骨を叩き潰す代わりに、俺はこれを選んだ、ただそれだけだ、俺はこれを選んだ、脳漿をぶちまける代わりに―俺は思考する死体だ、死人的な詩人だ、俺は一定のノイズの中で生きている、灯りを点けるんだ、まだ何かを見るつもりなら。


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