俺はこれを選んだ(含まれる代わりに)/ホロウ・シカエルボク
 


硬直した男根を吸い上げる炎にも似た女の表情が大写しになっているデスクトップ、唾液の滴る音まで聞こえてくるような絵面だった、バックグラウンドミュージックはずっと同じリズムをキープしていて、終ろうとしている夕暮れの先で欲望と共倒れようとしていた、閉ざされた窓の飾り硝子に刻まれていたのはずっと同じ文句で、縫い針の様に脳髄に混入していた、射出せよ、澱む人生―左の耳から右の耳まで静かに駆け抜ける一定のノイズ、もはや塗り潰すものが必要だとも思わなかった、身体は横たわりながらマントルの辺りまで落ちていくみたいで、限りなく近付きながら決して届くことの無い静寂の夢に焦がれていた、バーズ―誕生の瞬間―滅茶苦茶
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