雀の観察/バンブーブンバ
 
庭先の塀の向こうの柿の木を見ていたのです。落葉し、柿の実も捥がれてしまった骨々しさを、なぞるようにして、夜通し吹雪いた柔い名残りが露となるのを、ベランダの陽だまりから、しかも寝ぞべって見ていたときのことです。雀が飛来してきました。枝先にとまったのに、雪が、ふるい落とされなかったことに、少しばかり感激したものでしたが、すぐに白い地面に降りてきて、歩き始めたのでした。私のことを気にもとめてくれなかったことに、感謝の気持ちを伝えたかったのか、こちらも、出来るだけ、墓石になりました。すると、いつまでも雀は、庭をチタチタ歩いてゆきました。そのリズムが忙しくなったかとおもうと、ゆるくなっ
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