現代詩バーリトゥードフォーラム/ただのみきや
論んでいる
詩に生まれなければよかったのに
不憫なやつだ
詩に騙される
読ませた後からぺろりと舌を出す
詩で家族の秘密が明かされる
知ってしまった詩人の家の晩ごはん
詩に秒殺される
詩心が痙攣しながら墜ちて行く
七五の使い手恐るべしかな
詩から花の香が漂った
いやこれは彼女の香水 もう昔の話
詩に崖から突き落とされる
振り向きざまにぺろりと舌を出すのが見えた
「またあんたか! 」
詩が忍装束で瓦屋根の上を跳んでいる
文語手裏剣が眉間に刺さる
詩が死にたがっている
さもあらん詩人が死にたがるのは世の常だ
詩がしつこく死にたがってい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(31)