現代詩バーリトゥードフォーラム/ただのみきや
 
論んでいる
詩に生まれなければよかったのに
不憫なやつだ

詩に騙される
読ませた後からぺろりと舌を出す

詩で家族の秘密が明かされる
知ってしまった詩人の家の晩ごはん

詩に秒殺される
詩心が痙攣しながら墜ちて行く
七五の使い手恐るべしかな

詩から花の香が漂った
いやこれは彼女の香水 もう昔の話

詩に崖から突き落とされる
振り向きざまにぺろりと舌を出すのが見えた
「またあんたか! 」

詩が忍装束で瓦屋根の上を跳んでいる
文語手裏剣が眉間に刺さる

詩が死にたがっている
さもあらん詩人が死にたがるのは世の常だ

詩がしつこく死にたがってい
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