よう、孤独を口説こうよ/茜井ことは
 
もやもやしちゃってたまらないの
手持ち無沙汰で心は濁る
身体感覚が鈍っていく中
さっき食したファストフードが
この胃の中で叫んでいるよ

お腹をさすって
手探りでわたしを求めるけれど
いくらこの身をまさぐっても
空っぽの気持ちは慰められず
すーすーいうのは胸の奥

不安しのぎに手帳を開いて
「ひとり」という字を
人離と書いた
そんな余裕はまだあるらしい

孤独を手なずけられたなら
この寄る辺のなさは消えるだろうか
こんにちは、孤独さん
愛想笑いで出迎えたなら
わたしの肺を湿らせないで

ひとりで泣くのはつまらないよ
誰かと泣くのは気まずいよ
涙を忘れてしまうのは
それでもやっぱり難しい

こんにちは、孤独さん
わたしはあなたと仲良くなりたい
せめて眠れぬ夜の色が
深い青にならないように



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