みたび めぐる/木立 悟
雷光と虹
透る曇
さらに高みの色を降らす
雪の無い
凍える径
銀と緑の
さかいめと折りめ
銀にも緑にも
照りかえす夕べ
四角く白い陽がわたり
角は廻り 風を運び
光は色を散らしてゆく
何も無い場所へ 散らしゆく
一度のめぐり
二度のめぐり
泣く子を照らす
曇の明かり
朝は幾度も裏返り
街はずれにだけ積もりゆく
緑の翳り 冬の笛
綿ごみのなかの 数億のいのち
水は鳴り
壁は響く
多くの頁
目覚めたものがたどる路
剥離の空
手を振る夕べ
陽から陽へと打ち寄せる冬
手の
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