空は他人のもの ?K.Iに捧ぐ?/中川達矢
 
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見えない線を指先でつまめば
運ばれていくものと残されるもの
の生誕だ
声にならない声でいのりを告げる

一日に何度流されていることか
電光による死の宣告
人々はいらだちを隠せずに
電車の中で各々、ションベンを垂れ流し始める

ただの黒い線の集合体が
人を悲しませることもあるのだ
ということを知る時は、少し前に過ぎ去った

残されてしまったものには
今日とはどこか違った朝が
これから毎日も訪れるだろう

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他人の空を横切るクロツグミ
羽根を流れる骨は枝となって
街々の枯れ葉を身につけ
一枚の空の景色に描かれていく

「バイ バイ ブラックバード」
他人の空を渡る詩は鎮魂歌となって
たましいに揚力を与えては
似合わない喪服を繕っていく

見えないものを見ようとした詩人の眼には
少女が蔵い込んでいた空が見えず
イマージュを想うことしかできなかっただろう

眼鏡にこびりついた幾重もの垢を啄ばむ
小鳥としか言いようのない私たちに
血が流れている空をシュルレアリストが詩の言葉で見せてくれた

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