無題/梓ゆい
 
「もしもし。」を聞けば、安心する

寂しくなると笑顔が見えて

耳をふさげば泣く声がする。

(身体の一部を差し出して

痛めつけなければならないのだろうか?)

いなくなることは、恐ろしい

いなくなることは、恐ろしい

(お父さん。。)とつぶやきながら

声を上げてなく。。。

会いたいと願っても

近くて遠い障害が隔たりを作り

苦行を願掛けに変えることでしか

寄り添うことの出来ぬ苛立ちに

身体を痛めつける。

(大きな手・まなざし・・・・。)

もう一度、抱きしめられたいと

泣く・泣く・泣く・・・・。
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