回想/梓ゆい
山手線から見える住宅街のテラスを遠くに
厚切りのミートローフを思い返す。
暗い路地を遠くに
音と植木のテラスを目指して上る坂の上には
友との語らいと味わいの時間が
一人きりの私を出迎える。
チョコブラウニーを切り分け
会話とポエトリーを耳にすれば
終ることは無いと思い込んだ分
終焉の時はより深くえぐりを残し
よりシンプルなテラスの姿を
もう一度山手線から追いかけた・・・・。
「ありがとう。決して忘れないよ。高田馬場ベンズカフェ・・・・。」
今ようやく
最後の一口を食べ終える・・・・。
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