恋/塩崎みあき
 
白いものばかり
愛していました

わたし

四角い
消しゴムを
四角く切り分け
わたしは
それが真実の白だと
知っていました

あの人の書いた
ひとつの
美しい文字

を消し
汚れた角を
ためつすがめつ

わたし

白いものばかり
愛していました
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