猫のあたま/灰泥軽茶
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た
だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
別の良く似た猫がひょっこり現れたり
子猫を産んだり
ベランダの下でひっそり死んでいたり
貰われていったりして
代わる代わる
何代か続きながらも
いつも猫たちが
家の中や外をうろうろしていた
家を出て
マンション住まいするようになってからは
通りがかりの猫を
可愛いと思うこともないのだが
ときどき公園でお菓子を食べながら
ぼうっとしていると
すり寄ってくる猫のあたまをみると
なぜだかとても滑稽で愛らしく
いつも居た猫たちのあたまを思い出し
撫でてあげたくなる
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