群青 参加作品 テーマ主題【 無 】【そこには無が、有った】/るるりら
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なにが 必要か。
ばたふらいの心。その心は、生きる蝶にあらず
蝶のような心花と繋がれるまで舞うというお約束の【無心】を踊るカルイ、人魚の魂。
それを どうやったら 撮影できるか?
カメラの前には
薄い水槽の衝立を置く
わたしは吊るされて
ゆっくりと旋回する
わたしに つけたられた尾ひれに
バタフライらしい エフェクトが かかる
「わたし 鱗粉を撒いちやうよ 」
人として生まれてくると ときに
人ではないことを想像する 。
否、想像をつくりこめばつくりこむほど 私は、だれとも繋がれ無い
わたしは 自分のすわるべき椅子を 見つめる
朝日が椅子に光と蔭を与えている
与えられた光りと蔭
なんのへんてつもない椅子の背もたれの
うつくしいシンメトリーでできた影で
浮かび上がった文字があった
その文字は
【無】
いままで意識されずにきた
なんの変哲もない椅子の美
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