縦形の神話/
atsuchan69
ものたちも無言で彼の後に従った
※
雲をすぎると、世界はさも明快に見下ろせた
見下ろせば、無数の倒れた思想が
荒涼とした大地を虚しく覆っているのが雲の間に間から覗かれた
ふと見上げると、赤い翼のある蛇どもが天空を舞っていた
恐ろしい予感が込みあげてくるのと同時に、
もはや逃げようもなく――
眩しい神の光が、奢り高ぶった巨大な思想を撃つのを見た
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