縦形の神話/atsuchan69
 
天にまで届く巨きな思想が地獄からのび生えている

虫けらの死骸を運ぶ蟻のように
縦型の思想へ群がった神の似姿たちは、
あるときは雷に撃たれ
またあるときは激しい雨に叩かれ
赤い翼のある蛇どもの餌食になりつつも、
殆ど垂直にちかい傾いた思想の岩肌を攀じ登っていった

堕ちてゆくもの、
岩肌に顔を埋めたまま動かなくなったもの
祈りはじめるもの
いや、それでも登りつづけるもの‥‥

突然、雷鳴にも似た地響きが聴こえると
遙か遠くの思想が一本、崩れてゆくのを眼にした
神の似姿たちは、しばらく呆然とそれを眺めていたが
やがて一人がふたたび岩肌を攀じ登りはじめ、
次なるもの
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