暮らしが轢死/ボトルシップ
渋谷の街を歩いて多くの人とすれ違いながら思うこと
すれ違った女の人たちの中に一人くらいは下着を履いていない人がいたかも
すれ違った男の人たちの中に一人くらいは小学生とセックスした人がいるはずだ
すれ違った外国人たちの中に一人くらいは人を殺した人がいるはずだ
しかしだがそれがどうしたというのか
僕にはまるで関係ないことだ
「本当に?」
電車で隣に座っていた大学生の二人組がこの前交通事故で死んだ芸能人の話をしていた
「やっくん事故で死んだってw」
「へ〜」
「興味うすっっw」
「まああんま売れてなかったし別にい〜んじゃね〜」
「ですよね〜」
世界は僕という一個体を無視した大きな回転の中にある
僕という存在は生温いローションのようなものに包まれていて
守られている気になっている
摩擦熱でひどく蒸し暑い
息が出来ない程酸素が薄い
早く家に帰って下着を洗濯しなくては
もう下着はないんだ
頭が痒い
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