私の赤/nonya
赤が
私の内側を流れる赤が
情動をまとった哀しみと孤独が
今日も私の全体に行き亘る
赤は
私の内側を流れる赤は
などと
恰好つけて書いてはみるものの
詩人と呼ばれたい私は
詩になりたい私の赤は
夜ごと愚にもつかない独白を
繰り返すばかりだ
たとえば
少し疲れていたのかもしれない
気がつくと日記を書いていた
誰が読んでも分かる言葉で
常套句をふんだんに使って
こんなものを書いてはいけない
アーティストを名乗るなら
簡単には読ませてはいけない
ただの馬鹿だと思わせてはいけない
嫌になる
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