言問い/梓ゆい
 
肩を、叩かれる・・・・。

誰が

何が

何のために

肩を叩くのか、知る術を知らない・・・・。

トン  
       トン      トン


トン     トン    トン    トン    トン
    
・・・・・・。

誰かに寄り添いたくて

腕の中で眠りにつきたくて

一を捨てた・・・・。

人形になるよりも人形で

無きモノよりも無い

何かが・誰かが

ここにいる・・・・。

トン  トン

トン     トン   トン


トン・トン・トン・トン・トン・・・・。

ゆっくりと視線を落とし

手を合わせ

足元深く深くに

吸い込まれてゆく・・・・。

トン・トン・トン・トン・トン・・・・。

「沈み行く先に、何が見えるのだろうか?」

知る術を持たぬまま

瞳を閉じる・・・・。

トン・トン・トン・・・・。

(おいで。おいで。おいで。)

「誰かの手のひらが一つ、私の肩を叩いた・・・。」


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