手の温度差/凍湖(とおこ)
 
こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。

わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。

いつもそうやって温度差があり
あたたかい手とつめたい手とが
つながれたとき、熱が対流を起こし
だんだんに、おなし温度になる。

暑い夏はつめたい手が重宝されるし
寒い冬はあたたかい手に安心します。

いつもそうやって
あなたに差しのべられる手が
ちょうどいい温度を
あなたとわかち合う手で、ありますように
と、小さな手をにぎる。
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