潮騒の丘/
嘉野千尋
してその向こうでは
炎が赤々と燃え続けているだろう
その糧を峻別しながら
この海は救わない
ここから生まれるものはここへ還る
弾けて消えるものに悲しんではならない
ほら見えるだろう
潮騒の果てに 今日も燃えるあの丘が
飲み干したなら 砂を入れておいで
そしてもう一度丘を築こう
高く高く
今度こそ誰かが気づくように
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