まわり道/あおば
 
道路が
地球が
空が
自己責任を感じないまま暗転する太陽圏を抜け出した探査衛星ボイジャーは
束縛されたまま燃え尽きたヴァンガード人口衛星を羨んで
散文的な
余りにも散文的な下書屋をクビにして
退屈をもてあます弾み車を増産しては
仮想敵国に威力を見せつけている
いかなるミサイルにも耐えられる弾み車のアミダッポネ(阿弥陀骨、スポークのこと)を調整しては長靴で思いきり鉄製タイヤを蹴っ飛ばす軽量コンクリート設計に忙しい24階ビルの倒壊は
馥郁とした焼きたての
ローストビーフは調理室から回り道することなく工事現場に直行し
炭素繊維を束にして鉄筋を追い出したくてたまらないが
声なき声
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