散弾銃の硝煙の妄想と瞬きの間だけの小さな虹/ホロウ・シカエルボク
 
ここいらの鳩はもう平和の象徴なんかじゃない、糞を撒き散らして食いものをねだるそこらへんのガキと同じ生き物さ…散弾銃を持って撃ち落としてやりたいね、鳩も、ガキも、浮浪者も…だけどあの婆さんだけは撃ち殺さないぜ、あの婆さんだけは俺は撃ち殺さない、この街が死体の山になったとき、彼女が何をあのビニール袋に入れて帰るのか…そいつをぜひともこの目で見てみたいと思うからさ


時限装置のついた噴水が舞い上がるぜ、午後の太陽にほんの一瞬だけ浮かび上がる虹が見える。




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