泡を巡る(大きな服)/
木立 悟
花を見ている
冬に倒れる冬
白のなかの
虚ろを見ている
菓子をもらえぬと知り
去るもの 去らぬもの
雨をくぐる虹 映し身の午後
水たまりに沈む 晩夏の服
水の諸相は
どれもあいまいに明言し
門の終わりまで門番で居る
泡の内壁を巡る音
不満気な頬を撫でてゆく
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