L.A.B.編/由比良 倖
 
かと思う。

16レクイエム
どこかにやつれた老婆がいて
乾いたミシンを踏んでいた。
止まり木には小鳥が一匹。
光は床の割れ目から発していた。
僕は風の吹くだだっ広い草原で、
クランベリージュースを売っていた。
蟻やてんとう虫やセミが
そのお客だった。
天井がとても低くなったので
上の世界には行けません。
空に手が届いてそれが紙きれだとわかったとき、
私はもう死んでたのですね。
壁一面が肉でした。
骨というものが
もうどこにも無い。
人生?
それはレクイエムでしょう?

17こんにちは平衡感覚さん
わたしはうす黒くましかくなノルマという
あれ
の中で
昔 いたかった
距離の はなし

ガラス の 底蓋で
開示できますか?

携帯電話の化石
泳ぐブルータル
デス・
メタル

ガラスの海へ
帰る
指先 から
呼応
したものは何であったか
ね。
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