10月10日の詩/ただのみきや
 
朝焼けと茜空の間に
彩(いろどり)が溢れ
茜空と朝焼けの間に
暗闇が横たわる
少女はその秘密を知りたくて
彩の一つ一つを呼び出しては
新しく命名し昼の詩を
暗闇の底を探っては
言葉で照らし夜の詩を
創造し続けた

花の彩 空の彩 風の彩
人を彩る 愛または哀  

夜の闇 月も星もない
心の闇 時代の闇 闇よりも濃く

時は流れて
誰かが質問する
「詩とはなんですか」
「あなたは詩人ですか」
女は手中の言葉に翼を与えるが
答えはしない
だが愚問を詩に転生させる
プロセスについての考察は
ティータイムへ持ち越した

朝焼けと茜色の間に
言葉の蕾たちが一斉に微笑んだ
茜色と朝焼け間
澄んだ闇に星の音が煌々と





       *朝焼彩茜色さんの名前を題材にして
        勝手にイメージを走らせて書かせていただきました。

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